
ご挨拶


謹啓
この度、第1回日本腎不全合併症医学会学術集会・総会を、2022年4月23日(土曜日)東京国際フォーラムにおいて開催させていただきます。
慢性腎臓病(CKD)は1300万人以上の罹患が推定され、高齢化が進む中、国民病として位置付けられるようになっています。CKDの本質的な病態は、腎尿細管機能や間質部の障害による水・電解質、代謝異常、貧血などの生体の恒常性維持の慢性的な破綻が、全身的な臓器障害、循環・血管系の動脈硬化病変、石灰化などを引き起こし、心腎連関などと総称される、いわゆるCKDの全体的な病態像を形成していると考えられています。このため、”腎臓を悪くする”ということは、本来の排泄機能障害、老廃物の緩徐な蓄積をきたすこと並行して、全身の臓器にさまざまな合併症を惹起することになります。そして、腎不全患者は種々の合併症を同時に併発するため、総合的な視野に立った議論が重要であると考えます。これらのことは、腎障害~不全時の合併症は保存期から透析期を通じて監視・管理・治療が必要であり、そのためには医療スタッフはもとより企業の協力も必要となります。
このような背景のもと、日本腎不全合併症医学会はCKDおよびその合併症の原因究明、治療法の開発ならびに普及を図ることにより、CKD~腎不全患者の予後改善、ADLとQOLの向上をもたらすことを目的として設立され、第1回学術集会・総会を開催いたします。今回は創始の会として、各領域のexpertの先生方に今後の本会の行く末を見据えたご講演をお願いしてございます。コロナ禍の状況はいまだに不安定ではありますが、現場もしくは仮想空間であれ、ご参集いただき、今後の本学会の発展・成熟にむけてご協力いただけますようお願いいたします。
つきましては、本学会と大会の趣旨をご理解いただき、お力添えを切に賜りたくお願い申し上げる次第です。
末筆ながら、皆さまの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
謹白
2022年2月吉日
第1回日本腎不全合併症医学会学術集会・総会
会長 土谷 健
(東京女子医科大学血液浄化療法科 教授)